旨さの情報は、
尾の断面にあり。

マグロの尾の断面には、身の品質を示す、
あらゆる情報が凝縮されているといわれています。
熟練の仲買人は長年の経験と勘を頼りに、
この断面からマグロの色艶や身の締まり、
脂の入り方などを見極め、
マグロ一本の身の品質を瞬時に判断します。
日本の市場では、この職人技によってマグロの値付けがなされ、
その価格相場が形成されてきました。

途絶えゆく
目利きの後継者。

「どんなにセンスの良い人間でも、
一人前になるまでには最低10年はかかる。」
長年にわたる修行を経て、培われる目利きの
ノウハウは、各々の職人が独自の方法で
体に刻み込んできた暗黙知。
熟練の技を持った職人は全盛期の半数以下にまで減り、
後世への職能の継承に、深刻な危機を迎えています。

PROJECT

開発したのは、マグロの尾の断面から、
瞬時に品質を判定するAI、「TUNA SCOPE™」
大量の断面画像データと、熟練の職人による
品質判定データの
ディープラーニングにより、
職人の目利きをAIに託しました。
日本の高度な目利き技術を継承した、
確かなマグロの品質判定を
世界中のあらゆる場所で、
同時に行うことが可能になりました。

1

開発、TUNA SCOPE。

日本有数のマグロの遠洋漁業基地である焼津港。ここに水揚げされた大量のマグロの尾の断面を撮影し、35年のキャリアを持つベテランの目利き職人による5段階の品質評価の結果とともにデータベース化を実行。職人自身もそのノウハウを言語化することが難しいとされる目利きの極意を、ディープラーニングを活用することでAIが独自に解釈し、習得に成功。24時間365日稼働可能な目利きの後継者が生まれました。

3

世界3都市で
AI 認証マグロの販売を開始。

2019年、AIによって最高品質のお墨付きを得たマグロのブランド「AIマグロ」が開発され、東京の回転寿司店で実際にお客様に提供されました。プロジェクトは国内外から大きな反響を集め、さらに2020年2月には新たに「TUNA SCOPE認証マーク」を展開し、ニューヨーク、シンガポール、東京の世界3都市で商品販売を開始。世界各国の生活者のもとに、AIの認定を受けた確かな品質のマグロが提供されました。

FUTURE

産業の領域を超え、
匠の目利きをAIに。

「TUNA SCOPE」の開発によって蓄積された
目利きAIのテクノロジーのノウハウは、
今後、様々な産業や学問の分野において
応用できる可能性を秘めています。
人間の目から目へと受け継がれた様々な知恵や知見を
「新しい目=AI」に継承していくことで、
人類の直面する様々な課題を、AIと共に解決していく。
そんな未来も、そう遠くはないかもしれません。

REPORT

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