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大手回転寿司チェーン「くら寿司」はこれまで、仕入れを担当する職人が海外の産地や加工場に足を運び、現地でマグロを目利きして買い付けを行ってきました。ところが、コロナ禍の影響で渡航が制限されるようになったことで、品質の維持が課題となっていました。2020年7月、同社が発表したのは「TUNA SCOPE」を活用した遠隔による「新しい仕入れ様式」。匠の技を受け継いだAIを駆使して目利きをおこなうという史上初の試みでした。発表された新商品「AIまぐろ」は、200万皿を超えるヒット商品に。このプロジェクトは、ロイターを始め世界57カ国で取り上げられました。コロナ禍のピンチをチャンスに変え、水産業のDXを実現した「TUNA SCOPE」の進化と未来への展望をレポートします。